こんにちは!ナビゲーターの谷山です。
今回は、森永ココアに関わるスタッフをたすきリレーする、「チーム森永ココア~ココだけのオハナシ~」の第8回目となります。
今回の主役は、当社の三島工場で生産管理・生産技術を担当している増田です。
生産管理・生産技術は、「いつまでに、どれぐらい生産するのか」、「どうやってつくるか」「どのように品質を確認するのか」など、具体的な計画を立ててそれに則って生産されているかどうか監督し、出荷・納品に向けて管理をするのが仕事になります。
ココアがどのように生産されているか、そのお話をする前に、まずは、三島工場についてご紹介しましょう!
三島工場は、静岡県三島市に位置しており、富士山からの湧き水を利用して、inゼリーとココアを生産しています。従業員数は約120名と森永製菓の中では規模の小さい工場ですが、1年間に生産する数は、inゼリーを縦に並べると東京タワーの36,500基分!ココアは重量でアフリカゾウ480頭分を生産しています。
増田は、「生産している私たちも、目の前をとてつもない数の製品が流れていくのを見て、『こんなにいっぱい生産しているけど、お客さまに受け入れてもらえるだろうか』と心配になることがあります。」と話してくれました。
とてつもない数が流れる製造工程ってどんなの?と思われた方も多いのでは?
そこで、今回はココアの製造工程にググっと迫りたいと思います。
それでは、増田に交代しますね!
みなさん、はじめして!生産管理・生産技術を担当している増田と申します。
さて、ここからは、ココアを生産する工程について紹介したいと思います。
ココアの生産ラインは、チョコレートやビスケットなどと比較すると加工度が低いため、生産設備の数も少なく、動きもシンプルです。
ラインとしての面白みは薄いのですが、今回はみなさまに安心・安全を提供するための品質管理に焦点を当てて紹介させていただきます。
① 仕込工程
ココアパウダーや砂糖など、ココアの原料を投入して混ぜ合わせる工程です。 この工程における品質のポイントは、「
間違えなく配合すること」、および「
原料に由来する異物を確実に除去すること」、この2点が主となります。
- 「間違えなく仕込むこと」については、森永製菓の全ての工場にMES(製造実行システム)を導入。製造工程の把握や管理、仕込指示や作業支援を、通信端末を通じて行うようになりました。計量準備の段階では、原料に貼られているコードをバーコードリーダーで読み取ることが必須となり、誤った原料は使用できなくなりました。計量の段階では、秤とモニターが連動しており範囲内に計量しないと次の計量に進めなくなり、投入の段階では計量済ラベルをバーコードリーダーで読み取って投入するため誤った原料は使用できず、また順番も指定した通りにしか投入できません。このシステムにより、総じてヒューマンエラーや人による曖昧さが排除されました。
- 「原料に由来する異物を確実に除去すること」については、マグネットや篩(ふるい)などで何重にも異物除去を行っています。 もちろん、作業者の服装と衛生管理、現場への私物の持ち込みも厳重に管理しています。
② 充填工程
印刷された
個装フィルムがロール状に納入されますので、繰り出しながら
ジッパーを熱接着して既定の長さにカットし、織り込みやシールをしながらお客さまが目にする形に整袋します。その後、仕込工程にて混ぜ合わせたココアを1袋毎に充填します。 この工程における品質のポイントは、「
標準規格通りに製袋すること」、および「
賞味期限の印字が正しく鮮明に捺印されていること」、この2点が主となります。
- 「標準通りに製袋されていること」については、フィルム蛇行防止装置、ジッパー位置検査装置など、最新のテクノロジーの力を借りながら安定した形状と機能を確保しています。メーカーにて整袋した材料を納入して、工場では「詰めるだけ」のラインが多い中、袋も自分たちで作ってしまおうという発想は珍しいかもしれません。
- 「賞味期限の文字が正しく鮮明に印字されていること」については、印字検査装置が活躍しています。この検査装置は、印字無しはもちろん、少しの文字の欠けでも検出することが可能です。
③ 包装工程
1袋1袋をケースに詰めて倉庫まで搬送します。 この工程における品質のポイントは、「
製品として異物の混入が無いことを保証すること」、「
製品として風味・色調・溶け残りなどの品質に異常がないこと」、この2点が主となります。
- 「硬質異物の混入が無いことを保証すること」については、金属検出機とX線異物検査装置を併用してタイプの違う異物の検査を実施しています。金属検出機は磁界の中を製品が通過して、金属などが混入した場合の磁界の乱れを検出しており、X線が苦手とする薄い金属膜や金属粉などを得意としています。X線異物検査装置は、X線を透過して撮影した写真を画像処理で濃淡を検出しており、金属以外の硬質異物も検出が可能です。
- 「風味・色調・溶け残りなどの品質に異常がないこと」については、現場のリーダーが2時間に1回、実際に工程から製品を無作為に抜き出して、ココアをお湯に溶かして試飲しています。風味は現在の技術でも機械で測ることが出来ませんので、人の感覚に頼る検査となっています。もしかすると、現場のリーダーは日本で一番ココアを飲んでいる人かもしれません。
以上が生産工程の流れとなります。
森永製菓では全ての工場でFSSC22000と呼ばれる国際的な食品安全システム認証を取得しており、定期的に第三者機関による厳しい監査が行われています。
お客さまに安心・安全な製品をお届けするためには、外部からの客観的な指摘も大切ですが、何より私たち従業員の1人1人が自分事として品質の維持向上を考えて行動に移すことが大切だと考えています。
生産工場として、品質には絶対的な自信を持ってお客さまに提供することができます。
これからも、従業員一同、当社のミルクココアにてみなさんが癒される姿を思い浮かべ、それをモチベーションに生産活動を続けていきます。
いかがでしたか?
第9回は、
お客様相談室の担当にタスキを渡したいと思います。
ココアについてよくいただくお声についてご紹介する予定です!
お楽しみに!