エンゼルブログ
2021/08/11

【鈴木みくの今日もおやつ開発中 ④】イベント報告 パート2!

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こんにちは、森永製菓開発研究員の鈴木みくです。
 
今日は、7月30日にオンラインで開催した、『OUR TeRaSu』(※)主催の『なんでもない日に自分にありがとうのおやつを。』 【全国のみんなで「ほっくりおやつ」をかじろう!】 のイベント報告をします。
 
  ※『OUR TeRaSu』とは……クラウドファンディングプラットフォーム。運営は「テーブルを創るすべての人を幸せに」をテーマに事業活動を行う、株式会社SEE THE SUN。本プロジェクトは、100%以上達成。
 
なんでもない日にありがとう#01 「心ほっくりおやつ」を共同開発!
『なんでもない日に自分にありがとうのおやつを。』みんなで「ほっくり」おやつ時間を体験しよう!

今回のオンラインイベントの大きな目的は、皆さんと一緒に「心ほっくりおやつ」の商品開発をすることです。
私たち研究員は、一つのお菓子をリニューアルするにあたって、100種類以上の試作を行っています。新しい商品となるとその数は計り知れません。
お菓子を買って食べてくださる方が、どんな味、どんな食感、どんな香りを求めているか、などの仮説を立てながら、日々試作や議論を行い、それぞれが一生懸命に美味しさを追求し続けています。
 
味のベースは変えずに微妙な調整をしていくもの、大きく味の方向性を変えるもの、様々な改良がおこなわれますが、すべてに共通しているのは、お店に並んだたったひとつの商品の裏側には、食べてくださった方に「美味しいね」と笑顔になっていただきたい、という想いが込められている、ということです。

お菓子はとてもデリケートで、原料の配合、製造条件などでガラッと表情が変わりますが、単品で食べるとその違いが判らない。
でも食べ比べると、味、香り、口当たりなども含めてガラッと変わっていることに気付きます。
 
この試作品のブラッシュアップは、開発の仕事でワクワクするところかもしれません。「遠くの食べてくれる人を思いながら」試作品を作る。
そしてそれを、「誰に、どんなシーンで食べていただき、どんな気持ちになってほしいか」をさまざまな角度から考えつつ、味にイメージや言葉を充てて、どの味にするかを決めていくのです。
 
今回のイベントでは、最終的にお店に並んだひとつの商品を食べるだけではなかなか見えてこないような、お菓子の裏側にある開発体験をしていただきました。
試作品の味の感じ方の違いをみんなで楽しんだり、このお菓子を誰にどんなふうに届けたいか、みなさんの想いを融合させながら商品を作り上げたいという思いがあり、参加者の皆様には、事前に開発中のさつまいものほっくりおやつ8種類の試作品をお送りしました。
 
 
試作品には、青、緑などのラベルに、番号が振られています。さてその違いは?
 この「ほっくりおやつ」は、口の中でさつまいもの素材感が溢れるようなイメージで作っています。原材料表示は、「焼き芋ペースト、さつまいも蜜、芋麹、焼きいもパウダー」。
安心して「ほっくり」していただけるよう、なるべくシンプルな原料を使っているのですが、しっかりと甘く、ねっとりと濃厚で、この日のイベントに参加していただいた方からも「いもを超えるいもだ!」と驚きの声が上がるほど、満足感のあるスイーツです。
 
他にも、「砂糖やバターがあとから足されていないのに、なぜこんなにスイーツっぽく感じるの?」と質問がありました。それは麹菌に秘密があります。麹菌の産生する酵素がさつまいものでんぷんを糖に分解することにより、素材の自然な甘さが引き出されています。

麹菌は、素材の甘さを引き出すだけでなく、上手に育つと栗のようないい香りがすることも特徴のひとつです。サンプル92番は、芋麹を多く使った試作品でしたが、「栗っぽい香りがする!」「芋焼酎に通じるフルーティーな香りがする」と敏感に気付かれた方もいらっしゃいました。
このお菓子の開発は、芋麹との付き合いを深めた時間でもありました。ある意味「生き物」との格闘は初めての体験。芋麹が働く時間、温度、時間、水分量で、お菓子の味わいが大きく変わっていくので、目からウロコの発見が毎日のようにありました。

ところでこの「芋麹」、あまり耳にされたことがある方はいらっしゃらないかと思います。

米麹は私たちの生活でもおなじみで、味噌や甘酒、日本酒など様々な食品に使われています。
芋麹は、この「米」が「芋」に置き換わったものなのですが、芋麹をこのお菓子に使えるようになるまでも様々な出会いやドラマがありました。イベントの中では芋麹にまつわるエピソードをご紹介させていただきましたが、ブログでもまた次回以降、お話できたらと思っています。
 今回、参加者のみなさんと一緒に試食したものは、これまで検討した100種類超の試作品の中から、エース級で選びきれないものや、特徴がはっきりしていて好みが分かれそうなもの、感じ方の違いを楽しんでいただけそうなものなど、厳選した8種類の試作品でした。
(上の写真は、試作品の通し番号でした!)

オンラインの投票機能も活用しながらワイワイと意見交換をしていきましたが、なんと、ひとつとして評価が偏ったものはありませんでした。同じものを食べても人によって感じ方が異なること、さらにその背景にある理由がとてもユニークです。
「蜜っぽい焼き芋が大好きだから、これが好き」「お酒が好きだから、なんとなく発酵感漂うこれが好き」「栗が好きだから、これが好きな香り」。

商品開発に裏側があるのと同じように、食べていただく方の「美味しい」の裏側にもさまざまな背景があり、お互いの感じ方の違いを楽しむことでなんだか人生が豊かになったような気がしました。
 
さらに、このほっくりおやつを「誰に、どんなシーンで食べていただき、どんな気持ちになってほしいか」についてもみなさんと一緒に考えました。
「育児中の息抜きに片手でぱくっと」、「残業終わりに疲れた体を癒してOFFモードにしたい」、「夫婦で夜にちびちび食べたいです」など、日常のほっくりするワンシーンを思い浮かべていただいた方が多かったです。

私自身は、自分が開発中のお菓子の試作品を社外の人と一緒に食べるのは、ほぼ初めての経験で、試食自体もとても楽しかったですし、みなさんの人生の背景や想いをどうお菓子に落とし込んでいくか、想像してワクワクしっぱなしの90分間でした。
 こうしてイベントをさせていただいて、初対面の人同士なのに(しかもオンライン)、おやつを囲んでこんなに心をオープンにキラキラした笑顔でお話してくださる姿、人との違いを楽しむ姿を見て、おやつっていいなあと改めて思った時間でもありました。

今回参加者のみなさんと共同開発したおやつが、遠くの誰かの日常にある小さな幸せにつながるよう、商品化を目指して頑張っていきたいと思います!
  <シリーズ記事>
【鈴木みくの今日もおやつ開発中 ①】「心がほっくりするさつまいものおやつ」ができるまで  
【鈴木みくの今日もおやつ開発中 ②】イベント報告!
【鈴木みくの今日もおやつ開発中 ③】「心ほっくりおやつ」ができるまで 鹿児島日帰り弾丸ツアーレポート
【鈴木みくの今日もおやつ開発中 ⑤】芋麹との出会い!
【鈴木みくの今日もおやつ開発中 ⑥】さつまいも愛!  
【鈴木みくの今日もおやつ開発中 ⑦】イベント報告 パート3!
【鈴木みくの今日もおやつ開発中 ⑧】お菓子を作る&届けるプロたちの神技!
【鈴木みくの今日もおやつ開発中 ⑨】たくさんの人にほっくりを届けたい!
【鈴木みくの今日もおやつ開発中 ⑩】最終回『日常芋飯事』完成!  
 
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