エンゼルブログ
2023/08/07

チーム森永ココア~ココだけのオハナシ~ 第12回「研究を通して、みなさんのすこやかな暮らしに貢献していきたい!」

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こんにちは!ナビゲーターの谷山です。
今回は、森永ココアに関わるスタッフをたすきリレーする、「チーム森永ココア~ココだけのオハナシ~」の第12回目です。

主役は、ココアの健康への作用を研究している山本です。
 

研究所では、製品に含まれる成分の体への作用を科学的に調べる仕事をしています。山本の所属する部門は、当社のコーポレートメッセージである「おいしく・たのしく・すこやかに」の主に「すこやかに」の研究が担当です。
また、2030 経営計画として、『森永製菓グループは、 2030 年にウェルネスカンパニーへ生まれ変わります。』というメッセージを発信しています。森永製菓は、日本初カカオ豆からの一貫製造を実現したパイオニアの歩みとして、25年以上もカカオの健康への作用を研究しているのです。


長年の研究を振り返ったところ、40件以上のカカオに関する研究テーマの蓄積がありました。そこで今回は、さらにカカオの持つ魅力的な情報を2件ピックアップしてお届けしようと思います。
それでは、山本に交代します!
 

みなさん、はじめまして。
ココアの健康への作用を研究している山本です。

突然ですが、カカオの学名をご存知でしょうか?
カカオ豆は学名を「テオブロマ・カカオ(Theobroma cacao)」と言い、Theobromaはギリシャ語で「神(theos)」の「食べ物(broma)」を意味します。歴史書を紐解くと、カカオはマヤ文明では神への捧げものとして、またアステカ王国では薬や貨幣としても用いられていたようです。
 
 
私は、これまでさまざまな食品成分に関する研究論文を書いてきましたが、最初に海外の学術誌に掲載されたテーマがカカオに関するものでした。そのため、個人的にもカカオは、思い入れの強い食品素材です。

みなさんはココアにポリフェノールが含まれていることをご存じですか?
ポリフェノールってよく耳にする言葉かと思いますが、実はポリフェノールは特定の成分1種類を指すものではなく、総称の呼び方です。ポリフェノールは自然界に5,000種類以上あると言われており、有名な例として赤ワインのレスベラトロール、ゴマのリグナン、大豆イソフラボン、カカオフラバノールなどが挙げられます。
ポリフェノールは抗酸化作用が強く、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用があり、生活習慣病の予防に役立ちます。その中でも、私たちは長年のココア開発とともに、カカオ豆に含まれるフラバノールを中心に研究を進めてきました。

ここでは興味深い研究結果を紹介しましょう!

■カカオフラバノールを摂取すると、認知課題スコアが改善!
20歳から39歳の方に、机と椅子をずらっと並べた会議室に集まっていただきました。下の試験風景写真のように、机の上にはパソコンを1人一台用意しました。そのパソコンを用い、カカオフラバノールを摂取した場合と、摂取しない場合で認知機能検査を行っていただき、正答数や反応時間(1秒の1/1000単位で計測可能)などを比較しました。
 
 
この認知機能検査は、10種類のテストをゲーム感覚でできるのですが、試験結果がよかった2種類のテストについてお伝えします。
1つは、視覚記憶テストという課題です。15種類の幾何学的な図形を覚え、その後新たな15種類の図形を含む30種類の中から、最初に覚えた15種の図形を選び出すテストです。このテストでは、覚えた直後に実施する即時記憶と、10種のテストを一通り終えてから再度聞き直す遅延記憶の両方を実施しました。即時記憶の方で、カカオフラバノールを摂取した場合、摂取しなかった場合と比較して、正解数が統計的に高くなりました。

もう1つは、4パート持続処理テスト(パート2)という、注意力を測定する課題です。これは、色と形について 指示された図形が画面に表示されたら、できるだけ早くスペースキーを押すテストです。このテストに関しては、これ以外にも3つのパートがあり、とても注意力を維持しておかないといけません。この持続処理テスト(パート2)の部分で、カカオフラバノールを摂取した場合の方が、摂取しない場合よりも正解した反応時間のスコアが明らかに高くなりました。 
 
 
私たちが研究を行う前にも、カカオフラバノールによる認知機能に関する研究報告は欧米で行われた研究などがいくつかあります。それらの研究では、より多い量のフラバノールを摂取させたり、長期間継続して摂取していたりするものがほとんどです。単純比較はできませんが、神経系への影響や一時的な血流改善が今回の認知課題スコアの改善につながった理由の一つとも考えています。

■ココアには抗歯周病菌作用や抗インフルエンザウイルス作用が確認された!
これらの研究結果に関しては、森永製菓の研究HPでも掲載しているのでご覧になった方がいるかもしれませんが、生活習慣病と密接に関係があるとされてきた歯周病菌や、インフルエンザウイルスに対するココアの作用について、このブログでも簡単にご紹介します。
「健康機能の研究成果:ココア」はこちらから>>
 

まず、歯周病菌に対する作用ですが、歯科で歯周病関連菌が認められた18名を対象に、ココアを2週間摂取してもらい、ココアが口腔内の細菌数および口臭に及ぼす影響について検証しました。その結果、総細菌数に対する歯周病関連菌の割合が、ココア摂取により減少することがわかりました。
必要な細菌もなくなっちゃうの?と思った方、ご安心ください、何でもかんでも菌を減少させるわけではなく、唾液中の総細菌数は変化せず、ココアは常在菌には影響を与えないことも確認できています。さらに、ある程度口臭が強い8名について限定的に調べたところ、ココアを2週間摂取することで、呼気中の口臭の原因物質の量が飲用前に比べて減少することもわかりました。しかし、ココアを飲まなくなると、口臭の強さは元に戻ってしまったようですが・・・継続は力なりですね。
 
 
 
続いて、インフルエンザ対策について。
ココアの有効性をヒト試験で検証しています。新型インフルエンザに罹患歴がない人123名を対象に、抗新型インフルエンザワクチン接種1週間前から接種後2週間の計3週間、1日1杯ココアを摂取していただきました。その結果、自然免疫力の一つの指標であるナチュラルキラー細胞(NK細胞)活性が、ココアを摂取した人たちは摂取していない人たちと比べて、有意に上昇することが認められました。

ここで紹介したのは、ヒト試験で実際にカカオを摂取していただいた際の試験結果です。しかし、これだけで研究結果が導き出せるわけではありません。私たち研究員は、さまざまな仮説と検証を繰り返し、ヒト試験に踏み切る前に、過去の膨大な文献を調べ、研究室で細胞などを用いた基礎実験などを行っています。
実験をして証明していく中で、うまくいかないことも少なくありません。そんな時は、自分達の立てた仮説のどこが間違っていたのかを再検証し、また得られた結果から新たな発見がないかに目を光らせ、真摯に研究に取り組んでいます。

このような地道な努力が、お客さまの「おいしく・たのしく・すこやかに」に少しでもお役に立つことができていれば幸いです。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
 

いかがでしたか?

第13回は、最終回になります。最後は私、谷山から、これまでの感謝とこれからのココアへの想いを伝えられればと思います。
お楽しみに!
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