エンゼルブログ
2024/07/25

歴史の玉手箱~ 第8回~「おっとっと 誕生秘話」

124
エンゼルファミリーのみなさん、こんにちは、KAZUYOです。

夏休みが始まり、暑さもますます厳しくなってきましたね。
ドライブや、キャンプに海水浴と、海に出かけたくなる季節です。
今回は、前回予告した通り、海といえば魚、魚といえば「おっとっと」!ということで、1982年に発売された「おっとっと」を取り上げます。

当時の森永製菓を振り返ると、1981年に「Dr.スランプ」、1982年に「ガンダム」の商品が登場し、1983年にはディズニーランドの開園と合わせて「パックンチョ」が誕生しています。
40年以上にわたって作り続けてこられたのはご愛顧のおかげです。改めて感謝の気持ちを感じています。
 
 ▲1984年のパンフレット。ポテロングやスピンも。
 
森永製菓では、ポテロングやスピン(タイヤのホイールのような形のスナック菓子)を販売していましたが、スナック部門が弱かったため、スナックの柱となる新商品を作りたいという強い思いがありました。
そうした中、研究所で焼けば膨らんで中空になるシートが開発され、この技術を活かして新たなスナック菓子を作ろうという企画がスタートしたのです。
当時、世の中では「ソフト」「ライト」といった軽いスナック菓子が人気でした。
そこで、軽くてボリュームがあること、しかも100円で手軽に買えて、持ち運びに便利な小さな箱タイプで…いうように、アウトラインが決まっていきました。
味はカレー味やバーベキュー味などの候補がありましたが、「自然」「健康」というイメージがあり、売れ筋のシーフード味に決定!
そこから、シーフード味なら魚にしようという流れで、菓子の形も決まりました。

菓子の型をデッサンに合わせてペンチでブリキを曲げて作り、工場で試作が始まりました。しかし、焼くと割れたり膨らみにムラができたりと、なかなかうまくいきませんでした。
大きさを当初のものから3分の1に変更し、形もまんべんなく膨らむものを選定し、オーブンも何度か変えて、ようやくきれいに膨らむようになりました。
「地獄の現場試作」と言われるほど焼いてはダメ、焼いてはダメの繰り返しだったそうです。

■商品名は居酒屋で誕生
中空の魚の形のスナックは、それまでになく、消費者調査からも「売れそうだ」という手ごたえがありましたが、悩んだのは商品名でした。
実は、担当者は何百という候補を考えたそうです。最初は『小さな水族館』という仮の商品名がついていました。その後、「うおっこパーティ」「小さな水族館」「おかしの魚屋さん」「トトワールド」「魚の学校」「なんかな~い」などが候補に上がりました。
そうした中、担当者が居酒屋でお酒を飲んでいる時に、グラスから注いだお酒があふれそうになり、思わず「おっとっと」と口に出たことから閃いたそうです。
「おとと=魚の幼児語だ」「酒の肴にもなるなぁ。おっとっと、お酒もサカナもこぼさずに」「語呂も良い」と全員でワイワイ笑いながら商品名が生まれました。

こちらが、試作段階の商品パッケージです。「なんかな~い」もあります。現在の「おっとっと」とは全然違いますね。
私は、やはり平仮名の「おっとっと」と赤いクジラが印象的なパッケージで良かったと思いますが、エンゼルファミリーのみなさんはどうでしょう?
 

こういうスナックだからこそ、思い切って遊んでしまおう!ということで、タイ、イカ、フグなど9種類の魚の仲間の代表として、シンボルキャラクターはくじらに決定。パッケージの蓋の裏には“おっとっとニコニコ占い” (菓子を2コつまんで、その組み合わせで占う。イカとイカなら「あいつはイカした、いかさまし」など)をつけるなど、とことん『楽しさ』にこだわりました。
CMには、デビューしたばかりのとんねるずさんに出演していただきました。とんねるずさんとデカ猫が登場するユーモアあふれるCMが大人気だったので覚えておいでの方もいらっしゃると思います。
「おっとっと」は1982年4月の発売と同時に猛烈な勢いで売れて、品切れが続出。販売計画をすぐに2倍に修正したそうです。
森永製菓の商品の中だけでなく『日本の1982年のヒット商品』として評価されています。その後も、さまざまな味が発売され、評判になりました。
 
 ▲1982年のパンフレット。最初の菓子型はタイ、カメ、フグ、クジラ、イカ、タコ、アユ、カニ、ヒトデでした。
 
 ▲これまでに登場した、さまざまな味の例
冷やし中華やうなぎ蒲焼きなど、味にも『楽しさ』があります。

■おっとっとの変遷。さつまいもがベースだった時代も
みなさんの中には、「おっとっと」は昔と味が違うように感じる方もいるのでは?
発売当初の1982年、「おっとっと」の原料は小麦粉ベースで、じゃがいもも使用していました。当時のパッケージの原材料を見ると「小麦粉、澱粉、ショートニング、乾燥ポテト、植物性油脂、砂糖、えびシーズニング・・・」。シーフード味なのでえびシーズニングを使っています。
1989年にさつまいもを使用するようになりました。原材料を見ると、「小麦粉、さつまいもフレーク、澱粉、ショートニング、植物性油脂、えびシーズニング・・・」。そして、2001年からは、さつまいもが無くなり、じゃがいもがベースになりました。

他の変化としては、1982年より、菓子型も少し大きくなっています。菓子型の種類が増えたのは説明するまでもないですよね。商品のパッケージも1982年と比べると大きくなり、2袋入りになりました。時代に合わせて、いろいろと進化しているのです。
 
 ▲左から1982年、1989年、2001年(じゃがいもベースに)、2005年(現在と近いものに)。

■クイズです!赤いクジラの名前は何でしょう?
エンゼルファミリーのみなさんには簡単すぎるでしょうか。
正解は…「鯨野(くじらの)とと丸」です。
1982年の商品発売時にクジラのキャラクターが誕生しましたが、当初は「赤いクジラ」と呼ばれていました。 しかし、”名前がないのはかわいそう”ということで、1996年夏に「おっとっとキャラクター名づけ親大募集」のキャンペーンを実施。47,004通の中から1997年に「鯨野とと丸」に決定しました。「トットくん」「トット」「オット」という商品名をもじったものや、「モリナガスクジラノトトゾウ(蔵)クン」「海の赤大将」「海原波之介(うなばらなみのすけ)」「美味久手吠留(うまくてほえる)クン」「夫と弟とオットット」など、バラエティに富んだ名前の応募がありました。その中から、「鯨野とと丸」に決まった理由は、「おっとっと」という商品名と関連していて、覚えやすく日常的に呼んでもらえる、かわいらしい名前だからです。
 
今回も、最後まで読んでいただいてありがとうございます。

次回はリクエストにお応えし、9月6日のキョロちゃんの日にちなんで、チョコボールについてお話しします。
お楽しみに!

 
280件の「いいね!」がありました。
全280件の「いいね!」がありました。
  • 228
  • 5
  • 0
  • 13
  • 34
コメント
124件のコメントがあります。
並び替え
コメントするにはログインしてください
投稿の報告
「エンゼルPLUS」内において、利用規約に違反する疑いがある投稿を発見された場合は、こちらより該当する理由を選択の上報告ください。
該当する理由を選択してください。
キャンセル  
投稿の報告
通信に失敗しました。恐れ入りますがしばらくたってからやり直してください。
閉じる
ご協力ありがとうございました
※報告者情報、報告内容については個人情報保護方針にて保護され、公開されることはありません。
注意事項
ご連絡に事務局が個別にお答えすることはありません。
ご連絡いただいた内容は、利用規約に照らし合わせて確認を行います。
ご連絡をいただいても違反が認められない場合には、対応・処理を実施しない場合もあります。
閉じる