エンゼルファミリーのみなさん、こんにちは、KAZUYOです。
もうすぐ9月!厳しい暑さは続いていますが、夜になると虫の鳴く声が聞こえてきて、秋の気配が感じられるように。季節は進んでいきますね。
今回は、9月6日は「キョロちゃんの日」にちなんで、チョコボールについて紹介します。
チョコボールについてエンゼルファミリーのみなさんは、すでにご存じのこともあるかもしれませんが、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。
■子どもが楽しめるチョコレートを作りたい
1950年代になると、急激に伸びたチョコレート人気に対応するため国内のチョコレートメーカーは競って製造設備の近代化と拡充を図りました。その一方、外国系企業の参入や外国製チョコレートの流入などもあり、市場には多種多様な製品があふれました。
こうした中で、強いインパクトのあるチョコレートを発売したいと考え、1964年に大人向けの高級チョコレート「ハイクラウン」を発売しました。この大ヒットを受けて、次に子どもが楽しめるチョコレートの開発に着手しました。
▲1966年の森永製菓のチョコレート発売品パンフレット。大人向けの商品が並んでいます。
■当時では画期的な品質を実現
チョコレートは手で触ると溶けやすく、指に付きやすいという弱点があります。そこで、チョコレートコーティングした後、艶かけをしてベタつきを防ぐ「パンワーク製法」のチョコレートの商品を考えました。
従来、チョコにシュガーコートをすれば夏の暑さにも強い商品を作ることができますが、シュガーコートは薄くしても硬く、噛むと口の中にザラザラとした感触が残るのが難点でした。そこで、もっとおいしくするために研究を進め、「透明性に優れ、口当たりがやわらかく」しかも、べとつかない新しい「艶かけ」パンワーク製品を生み出すことに成功しました。
これにより、菓子の表面がつるつるとしてチョコレートの色がそのまま見えて、しかも粒同士がくっつきません。指につかず、しかも口どけも良い画期的品質ができたのです。さらに、この技術により中袋を使わず、直接箱に詰めることができ、取り出しやすいという利点も生まれました。
もちろん、おいしさにはこだわりました。チョコのセンターをどうするかを考え、チョコと相性の良いピーナッツと森永の得意技術であるキャラメルにしました。そして、カラフルな色が楽しいカラーボールの3品にしました。
▲チョコレートボール発売以前のパンワーク製品「スキップチョコレート」。
シュガーコートをして、赤や緑やチョコレート色に着色していました。
■架空の鳥「キョロちゃん」誕生
1965年に当時の人気アニメ『宇宙少年ソラン』のキャラクターのチャッピーというリスをデザインした「チョコレートボール」を発売したのですが、アニメ終了とともに販売を終了することとなりました。そこで新たなキャラクターを考える必要ができたのです。
新「チョコレートボール」発売にあたり、箱の上部を引き上げると横から菓子の取りだし口が開くパッケージが開発されました。開けるのが楽しくなる画期的な構造です。この横に引き出す開け口が、鳥のくちばしのように見えたので、鳥をシンボルキャラクターにしようと決めました。パッケージ全体が鳥そのもので、頭部にみたてた上部と斜めのカットは羽をイメージしました。チョコボール一粒を目の位置につけ、文字はそれらを引き立てるようにレイアウトしました。こうして生まれたのが「キョロちゃん」です。
キョロちゃんは、顔の左右に付いている目が同一平面上にデザインされています。これはピカソも使った「同存化表現」という手法です。
鳥の身体で味の表現もしています。こうして、1967年に「チョコレートボール」が誕生しました。(※1969年にチョコボールと改名)
▲左から、1967年はパッケージの上部を引き上げるとくちばしが現れる
1969年は箱の上部のフタを起こすとくちばしが飛び出るデザイン
1974年からは現在と同じくちばしの形に
▲1967年.チョコレートボール(センターはキャラメル)、ピーナッツボール、カラーボール(シュガーコートでセンターはナッツチップ入り)の3種類。キョロちゃんの身体は味を表現しています。
■なぜ、キョロちゃんという名前?
鳥のイラストは、社内では「可愛くない」「目つきが悪い」「変な鳥」と言われ、とても評判が悪かったそうです。そこでせめて名前だけはかわいくということで、目がキョロキョロしていることから「キョロちゃん」と名付けられました。
しかし、パッケージに「キョロちゃん」の名前が初めて印刷されたのは1991年のこと。これを機会に「キョロちゃん」の名前がようやく広く知られるようになりました。
■「おもちゃのカンヅメ」でワクワク感を届けたい
子どもに喜んでもらえるものは何かと考え、カンヅメを景品にすることを思いつきました。
チョコボールを買って「金・銀のエンゼルが出てこないかな」とくちばしを開ける。エンゼルが出たら応募して届くのを待つ。カンヅメの中身は秘密にして、届いたカンヅメをキコキコ缶切りで開けて中身を確認する。そういった一連のワクワク感をプレゼントしたいと考えたそうです。
1967年にマンガ本とおもちゃを入れ「マンガのカンヅメ」でスタートしましたが、2年後、マンガ本をやめて「おもちゃのカンヅメ」にリニューアルしました。それ以来、数年ごとに新しい「おもちゃのカンヅメ」が登場しています。
ただ、変わらないのは、おもちゃのカンヅメの中身が秘密であること。社内でも代々のチョコボール担当者しか中身は知りません。もちろん社長も知りません。
そして、社員だともらえるなんてことがあるわけもなく、私もコツコツ金・銀のエンゼルを集めています。
歴代のおもちゃのカンヅメは、チョコボールのホームページで紹介しています。
チョコボールブランドサイトはこちらから>>
■モリウムで「金のエンゼル」実物や「おもちゃのカンヅメ」を展示
横浜市の鶴見にある森永エンゼルミュージアム MORIUM(モリウム)では、2024年の8月1日に「チョコボール おもちゃのカンヅメ」企画展示をOPENしました。ここでは、「金のエンゼル」実物も展示しています。常設しているので、機会があれば見に来ていただけると嬉しいです。事前予約が必要なので詳細はHPをご覧ください。
森永エンゼルミュージアム MORIUM(モリウム)>>
■キョロちゃん語の謎
キョロちゃんは、「〇〇クエッ!」というキョロちゃん語を話しますよね。
実は、キョロちゃん語には意味や用法があるんですよ!
「クエッ!」
その気になればどんな時にでも使える万能語。
楽しい時は「クエッ!」、悲しい時は「クエッ~」、超楽しい時は「クエッ、クエッ、クエッ!」。
ちなみに、「クエッ、クエッ、チョコボール」は、「チョコボールを食べます」。おいしいチョコボールを一緒に食べて欲しいという思いを込めています。
「サンクエッ!」は、「ありがとう」です。
それでは、キョロちゃん語で・・・
おかげさまで、今では「チョコボール」は、子どもから大人までみなさんに愛される森永製菓を代表する商品の一つになったクエッ!
最後まで読んでくれて、サンクエッ!次回は「チョコレート」にするのでよろしクエッ。