マーケティング部のヒロセです。
前回までに、研究所が夢のお菓子作りに自分たちで挑戦する「森永新研究所」企画発足、そこから生まれた「東京ピーナッツマニア」の4回にわたるテスト販売の経緯をお話させて頂きました。
◆知らされた真実
第4回目のテスト販売。2品に減らしたことの反応を伺いに店頭に試食活動にいったときの話。
10名を超えるくらいの研究員が参加していましたが、そのうちの1回について、事前に黒幕・解良(ケラ)と打ち合わせ中のこと。
ケラ 「マツシマさん、今回初めて店頭に行くのですが、、、」
ワタシ「じゃぁ、ワタシがコンビで行きますわ」
で、当日、つつがなく店頭活動を終了した帰り際、、、
ワタシ 「へぇ~新入社員ですか?でまた、何で森永製菓に?」
マツシマ「もともと学生時代に店頭で「森永新研究所」のメンバーに会って。研究員が好きなことに自分たちでチャレンジしてる話を聞いて面白い!と思って入りました」
ワタシ 「え?あ、、、そ、そうなんですか、、、、」
の後の会話は覚えておらず、、、
で、ここで皆様にお伺いしたいのですが、、、
これまで3回の記事をお読み頂いた方の中で「本企画に参加したい!」と思われた方、いらっしゃいますでしょうか?
他の仕事もありながら、設備爆発するまで手作業製造してるんですよ?全部のボトルにシール手貼りですよ?挙句に「第3回目」で述べましたが、どんなに頑張っても「テスト発売→赤字→サークル活動と揶揄される」チームですよ!
5mくらい離れた距離で、笑いながら見てる程度が丁度良いと思います(爆)。
マツシマ、一見、生真面目そうな、大人しそうな、感じなのですが、確かに仕事の話で前のめりな感じがちょいちょい出てくるのですが、根っこはそういう「熱い」人なのでしょう、たぶん。
既存メンバーとしては、そういう風にリアルに評価&行動してくれる同志が増えるのは本当にありがたい、というかちょっと報われるというか、、、ですが、何年後かに「昔、映画で観た、マヨネーズを美味しそうに舐める死神が、、、」とか言い出しそうでコワイです(※完全に私の勝手推測)
◆新しい風
第4次テスト販売が実に微妙な結果でしたが、ここで本格的に営業部が参加頂くことに。(この「微妙な結果」は前回「第3回 謎とき!開発バラエティ」をご参照ください!)
2019年1月。
研究所、設計、設計。生産のメンバーに販売が加わり一通りの機能部が揃いました。
(割愛しますが、もちろん、経理、物流、お客様相談室他、色々な力を借りています)
「東京の土産チャネル」に(ほぼ)初めて参入するにあたり専門の意見を入れたい。というのは表向きのキレイな理由。実際は「販売面の同志が欲しかった」。新しいことをやるのに、知見が足りてないなかで突破するべく、それなりに「仕事以外に挑戦する」気持ちがないと誰も得しない、、、という意味では「絶妙なタイミング」「絶妙な方々」に販売の代表(?)として参加頂きました。20代?30代前半?と思しき女性N、Kのお二人。(すみません。他人の、自分のも含めて年齢に興味がないもんでよく知りません(苦笑))
いや、これも嘘かも?実際は「営業部が見るに見かねて助っ人を入れてくれた」のだと思います。「こいつらに任せておれん!」的な。
なんにせよ「微妙な結果」から再起を図るべく、製品見直し、販売方法見直しへ!
◆たぎる!ミドリカワ
再起のための製品見直し。ポイントは大きく2点。
・お取引先様(お店)の期待「売場効率=売場面積あたりの売上を上げる」べくお土産用の箱タイプに再度挑戦する
・ボトルタイプの更なる原価低減
以前触れましたが、当社の挑戦「東京土産チャネル参入」にあたり、お取引先様の協力~お土産品は超巨大競合が多い中で「東京ピーナッツマニア」を扱ってもらう~が必須なので。
で、再度の「お土産用箱タイプ開発打ち合わせ」を実施。
販売からN、K、研究所からケラ、ヤマグチ、マツイ、生産からナカガワ、もちろん設計担当のミドリカワ+ワタシ、計8人。
N、Kはさすが営業。東京駅中のお土産品+出張先で見つけたお土産品を山のように持ち込んでの参加。
N 「(他社品を指し)こんな感じで箱の中に菓子を整列してはどうでしょうか?」
ミドリカワ「中の袋をやめて並べれば原価は下がるけど、、、ほんとに業務用的なお土産ぽくなるよ、、、ボトルや小箱のキューブがかわいいって言われてるだけに、、、」
N 「ベースのデザインのかわいい系を活かせばかわいさは大丈夫だと思います!」
ミドリカワ「むむむ、、、」
N、K「デザインとしては、キャラクターを・・・商品名を・・・」
ミドリカワ「おおーいいねぇ~・・・・・」
実はこのあたりの会話は全く覚えてない(苦笑)。というか、全て任せてました。はい、投げっぱなし!好きにやっちゃって!的な(笑)
いや、正確には「眺めてました」(笑)
「自分が良いと信ずるものを追及するおっさんミドリカワ」
VS
「「今のかわいい」をぶつける時代の代表(?)」NとK」
この対決を「頑張れおじさん代表!ミドリカワさ~んっ!」と傍から見てました。笑いを堪えながらw
「東京ピーナッツマニアのデザインがカワイイ」とお褒め頂くことがあるのですが、カワイイ部分はN,Kの仕業です!ワタシ、ケラ、ミドリカワのおっさんチームの意見はほぼ却下されました。もとい、自制致しました(爆笑)
N、K、まさに絶妙。
こんなことに前のめりに挑戦してくれるメンバー、見つけるのが非常に大変なので、、、
そんなこんなで、
「職人・ミドリカワVS時代のセンス・N&K」対決の結果が本商品群になります。(そこはかとなく黒幕・ケラ率いる研究所チームの意見も入っていることは言うに及ばず(苦笑))
ミドリカワについて、個人的にどうしても付け加えたいことを一つ。
ミドリカワの本企画への参加経緯。
全くの別件で研究所内を歩いていたところ、「たまたま」ケラに呼び止められ、「あーだ、こーだ、アドバイスしただけ」が気づけば最後まで開発の中枢にいた、という、、、他の「森永新研究所」案件含め、完全新製品を同時に10品以上、規格設計してました、たぶん。そんな結構ハチャメチャ、いやいや、もとい、大きな器の方です!
◆急展開
19年4月。まさに「微妙な」テスト販売中の時、、、工場探索のナカガワ登場。
ナカガワ「受けてくれる工場見つかりました!」
ワタシ「ナイス!(註:ほぼ死語)」
ナカガワ「条件としては、委託することを1か月以内に返答。投資額は・・・」
ワタシ「はぁ?」
とまぁ、プランの無かった数か月前からすればかなりの前進。にしても、「微妙なこの時期」、本発売の承認が取れてないときに「1か月以内に投資含めて判断しろ?」ですと!?
一通り「それは無理」とワタシもごねましたが、製造を受託して頂く側のご都合もあることなので緊急の会議をかなり強引に開催、承認を頂きました。「微妙な状況」のなかで「ここまではやれる」のプランを以て承認頂いた感じです。
(大幅にはしょります)
そんなこんなを経て、全ての製品規格を整え、またお取引先様に展開計画を確保頂き、改めて19年10月、遂に本商品化会議での承認を得た。こんな感じです。
◆本商品化会議にて
月曜日の会議当日、見たことも聞いたこともないような「ハチャメチャな会議」を経て本商品化承認を頂きました。
私自身はあまり覚えてないのですが、どうやら会議中に、、、
「完全新製品なので、売れるか?売れないか?やってみないと解りません!本商品化、止めたければ止めてみろ!」
みたいなことをほざいてたらしいです、ワタシ、、、
全く記憶にないです、、、自分でジブンがコワイです、、、
(>_<)
そこまでは言ってないと思いますが、ただ以下のフレーズは確かに言いました。
「完全に新しい製品、ほぼ初めての展開チャネルでこれからも難しい部分が出てくると思います。ですが、準備に3年、これ以上ない勝負手にはなったと思っています。ぜひ皆で挑戦したい。そういう想いで私はこの会議に来ました」
◆20年2月現在の状況
テスト販売からご協力頂いてきた日本百貨店様、ロハコ様で展開頂いています。また東京駅を中心にお土産を展開されているお取引先様でも徐々に扱い始めて頂いています。いかんせん「東京・お土産専用品」の取組がほぼ初めてで、また、製造ラインも新設で、どれだけ売れるか解らない、どれだけ作れるか解らない、そんな中、手探りで進めています。
(例えば、15粒入りのお土産箱タイプが想定以上に高評価を頂き、やや品薄です、申し訳ございません、、、)
展開店舗、試食展開等につきましては「森永製菓公式Twitter」「HP」等にて随時ご報告させて頂きますので、チェック頂けますと幸いです。未だに店頭に研究員もお邪魔しています。産休から復帰した鈴木もたまに出ていますので、見かけたら「何で「東京」なんですか?」とか「手の色、妖怪っぽいですよね!」とツッコんであげてください(爆)
◆中締め
皆様、森永製菓の最近の新商品をいくつ覚えて頂いているでしょうか?もしくは、他社含めて、いくつの新商品を覚えておられるでしょうか?
昨今、新商品がなかなか定着しないなかで新製品を開発・発売する、というのはなかなか難度が高いものがあります。
今から20年以上前に「1000-3つ(せんみつ)」フレーズがありました。「新商品が1000個出るうちに翌年迄残るものは3つもない(≒それほど新商品は難しい)」という意味です。
一方、当社には永くご愛顧頂いている製品・ブランドがたくさんあり、それらをブラッシュアップし更に皆様のご期待に応えていくことが、それなりに繊細で難しい部分があります。そしてどうしても既存品改良を優先し、新製品、特に今回のような「完全なる新製品」の開発・発売はなかなかチャンスが無いのが現実です。
その中で「どこかおかしい奴ら」が少しずつ集まって「おかしな製品」を担いで、今も日夜走り回っている、というのが「東京ピーナッツマニア」の「開発・発売ノンフィクションバラエティ」のまとめとさせて頂きたいと思います。
いつの日か、次回続編「販売ノンフィクションバラエティ」か「終売のご連絡」、できれば前者でお会いできれば幸いです(ここは(苦笑)なしです)。
何卒、引き続きよろしくお願い致します。
長文へのお付き合い、誠にありがとうございました。
※本シリーズは「マーケティングの例」ではないです。念のため。
そういうのは成功した暁にやるものだと、重々承知しております。
あくまで「ノンフィクションバラエティ」とお含みおきください(笑)
<ご挨拶>
第1回目のレポートは
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第2回目のレポートは
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第3回目のレポートは
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